- 大阪在住アラフィフ女性
- 公認会計士歴20数年、がん患者歴約10年
- ミニマリストを目指して1年ほど経ちました
- ミニマル思考、ミニマル生活でストレスフリーになったせいか、がんの進行も緩やかに
- 2021年末ブログデビューしました。
ツイッターも始めました
佐々木典士さん『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』は2015年に発売され、ミニマリズムという一大市場を生み出した本です。
とても有名な本であり、ご本人の解説もあります。
今更ながら読んでみたところ
大好きでした!
ちなみに、私は初版本を読みました。その後、追補版が出て文章も読みやすくなっているらしく、
これから読む方は追補版が良いかもしれません。
追補版も読みたいです
ミニマリスト初心者にも中級者にも役に立つ納得の本です。
本の内容
目次は以下の通りです。
第1章 なぜ、ミニマリストが生まれたのか?
第2章 なぜ、モノをこんなに増やしてしまったのか?
第3章 〇〇〇方法最終リスト●●! !
(〇〇〇は初版では「捨てる」、追補版は「手放す」、●●は初版は「55」、追補版は「65」です)
さらに手放したい人へ追加リスト15! ! ―「捨てたい病」への処方箋
第4章 モノを手放し、ぼくが変わった12のこと
第5章 幸せに「なる」のではなく「感じる」
第1章、第2章はミニマリストの定義とモノを増やす動機について記載されています。
今まで、ミニマリストとはどういうものか、をグルグル考えていましたが、スッキリ定義されていました。
また、モノはいくら持っても「慣れ」て「飽き」てしまうので、モノで満足感を得ようとするのは無意味だとわかりました。
第3章はモノを減らすコツがかなり分厚く記載されています。
段階を踏んでやり方が書かれているわけではなく、断捨離のコツやヒントが書かれています。
内容も具体的でわかりやすいです。
片づけの過程で迷いが生じたときに見直すのに使えそうです。
逆に、体系だてて片づけの仕方をマスターしたいと思う人には、ちょっと細切れな情報かもしれません。
第4章はミニマリストのメリットが実体験として記載されています。
時間ができる、節約になる、などの物質面、金銭面と、
人と比べなくなる、集中力が高まる、などマインド面の両方が書かれています。
これらのメリットは私も実感しているところです。
第5章は幸せは「なる」のではなく「感じる」という、少し難しい話でした。
幸せは他人に与えられた「幸せのお手本」を達成したり、課題をクリアして達成するものではなく、自分主体で感じるものであり、
そうでないと際限なく求め続けることになります。
感想
本を読んで感じたのは
この人は分析が好きな人なんだろうな。
分析好きな私は大好きな本だけど、人によっては理屈っぽく感じるだろうな。
ということです。
例えば、ミニマリストの定義について、佐々木さんは決まったルールはないとしながら、
定義すればどうしてもそこから漏れていくものがある。それでもあえて考えてみるなら、
ミニマリストとは、
「本当に自分に必要なモノがわかっている人」「大事なもののために減らす人」
「ぼくたちに、もうモノは必要ない。」初版p47
としています。また、ミニマリストの目的として
モノをすくなくすることは「目的」ではない。ミニマリズムはそれぞれが違う大事なものを見つけるための「手段」。肝心な物語を紡ぐための「序章」がミニマリズムだ。
「ぼくたちに、もうモノは必要ない。」初版 p49
としています。これらは私が最近学んできたことを、端的に定義していて感動しました。
この人の影響を受けたミニマリストさん達の動画などが
私の考え方に影響を与えてきたのでしょう
また、モノを持つことで満足感を得るには限界があることについても、モノを得た満足感には寿命があり「飽き」てしまうとしています。
かつて自分が欲しいと思ったモノはすべて手に入っている。なぜならぼくたちの周りにあるモノは、いつかどうしても欲しいと思ったモノだけだからだ。少しも望んでもない、こんなの絶対に欲しくない!と思ったモノは持っているはずがない。
だが、そのものを持っていることには、いつしか「慣れ」→「飽きる」。だから別の「刺激」としての新しいモノが欲しくなる。
「ぼくたちに、もうモノは必要ない。」初版 p78
とても納得感がありました。
また、それでもモノを持つ理由として「自分の価値を伝える」ための手段だとしています。
モノを通して内面の価値を伝えた方が、圧倒的にわかりやすく早い。内面と違い、モノは誰でも見ればわかるのだから。
「ぼくたちに、もうモノは必要ない。」初版 p96~97
だが、その便利さに依存しすぎると、多すぎるモノに囲まれることになる。「自分の価値を伝える」モノが、「自分」そのものに置き換わっていく。「モノ=自分」になってくる。するとまたモノは増える。モノを増やせば自分が増えるような気がするからだ。
なるほど
そうかもしれません。
でも、まだミニマリズムを実践していない人からすると納得感がなく、第3章など具体的な内容の方が読みやすいかもしれません。
第3章で印象的だったのは「生前整理」について触れていた点です。
持っているモノの大部分は、その価値が自分にしかわからないモノだ。 (中略)
「ぼくたちに、もうモノは必要ない。」初版 p163
だから自分という「記憶」の持ち主を失ったとき、そのモノは価値を失ってしまう。 (中略)
僕がかなりのモノを減らしたとき、ぼくが感じたのは、「これで自分に万が一のことがあってもあまり迷惑がかからない」ということだった。物騒で悲しい想像だけど、そのとき感じたのはなぜか「自由」だった。もっと行動的になれるような力が湧いてきたのだ。
私は「終活」を通して「ミニマリスト」を目指し始めたので、最初にこの体験をしました。
若くて健康な方が生前整理を実行して、同じ気持ちになったということに驚きました。
また、モノを持ちすぎるとモノが発する「沈黙のメッセージ」にさらされるという記述が面白かったです。
溜まった洗い物の皿なら、「またこれか・・・・もうお前には期待しないからな」。
テレビからは「録画した番組、溜まってますよ。あとそろそろ、ホコリを払ってくれてもいい頃じゃないかと。」
「ぼくたちに、もうモノは必要ない。」初版 p226
うちの家の皿とテレビの愚痴が聞こえてきました
それが心の負担になるんですよね。
まとめ
ミニマリストの定義、メリット、具体的な実践のコツがバランスよく体系立てて書かれている良い本だと思いました。
この本の認識があれば、単に捨てて後悔したり、モノを減らすことにこだわりすぎたりすることはなくなります。
ただ、少し理屈っぽい部分があるので、人によって向き不向きがあるかもしれません。
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